機能的な鉢をvaseモードで印刷したい

3Dプリンター

私は3Dプリンターを元々持っていて、何か作りたいなぁ、と思っていたところから園芸に入ってきたという工学畑の人間です。昨今では3Dプリンターの鉢をあちらこちらで見るようになりました。デザインの凝ったものや、3Dプリンター特有の構造を利用したものなど、いろいろな種類のものがあり、製作者の皆さんには頭が下がる思いです。これらの販売されている鉢は、3Dプリンターを持っていないユーザーをメインターゲットとしたものだと思っているので、勝手ながら3Dプリンターユーザー向けに手軽に印刷できて、機能性の高い鉢を目指して設計します。

しました。https://www.thingiverse.com/thing:5534896

まずは、簡単にvaseモードについて、端的に言えば一筆書きモードです。3Dモデルの外壁のみを印刷するので、CURA上ではSurface modeと表記されています。このモードの利点は切れ目なく停止せずに印刷するので印刷が高速でFDM方式特有の継ぎ目が発生しません。これだけ書くと素晴らしい機能のように思えますが、造形物に制約が多く、外壁しか印刷しないので強度が低くなりがち、断面が一筆書きできないといけない、といった条件をクリアできるものしか作れません。そのため、割と簡単な機能のもの(花瓶とかペン立てみたいな)しか印刷できません(デザイン自体は割と凝ることができます。

しかし、vaseモードにおいても聖域があり、それが底面です。vaseモード自体は平面を塗りつぶすことができないので、底面が必要な場合、最初の何層かは通常の印刷を行います。そのため、3Dモデルを工夫することで底面に穴を開けたり、スリットを入れたりできます。(そもそもスライサーの機能を使えば底面付近をインフィルのみにできたりしますが、手軽に印刷することを目的にしているので割愛。)また、vaseモードは一筆書きさえできれば、空中に浮いていようが印刷自体は受け付けるので鉢の途中で穴を開けることが出来ます。

3Dモデルを下から、底面のスリットと側面の溝と穴

印刷設定については、底面のスリットの深さを1.1 mmで設計しているので底面の厚さが1.1 mmになるように積層ピッチを設定してください。最初の画像ではノズル径が0.6 mm、積層ピッチが最初だけ0.2 mmで後は0.3 mmで印刷しています。(透明なフィラメントを使う場合はノズル径が大きく、積層ピッチが高いほど透明感は増します。)

ということで、手軽に印刷でき、サークリングを防ぐための溝や穴があり、排水もちゃんとできる鉢を作った&公開しているのでもし良かったら使ってみてね。

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